法律で義務付けられている非常用発電機の負荷試験を実施するために、どんな資格が必要かについて解説します。
非常用発電機の負荷試験は、必ず一般企業や社団法人に依頼しなければならないものではありません。手間やコストを抑えたいのであれば、施設管理者自ら負荷試験を実施することも考えられるでしょう。しかし、法令で義務付けられている非常用発電機の点検内容や項目は多岐にわたり、専門的な知識や技術を有していないと法令に準拠した点検ができないだけでなく、事故につながるおそれもあります。
施設管理者が非常用発電機の点検やメンテナンスを行うためには、相当な時間をかけて勉強して資格取得試験に合格する必要があります。それでは、非常用発電機の負荷試験を実施するために必要な資格にはどんなものがあるのでしょうか。
消防法を設置根拠として、消防設備の設置工事や点検整備を行うことができる国家資格。
甲種、乙種の別があり、甲種は消防用設備または特殊消防用設備など(特類資格取得者のみ)の工事や整備、点検をすることが可能です。乙種は消防用設備等の整備、点検を実施することができ、免状に工事、整備、点検ができる傷病用設備などの種類が記載されています。
劇場やデパート、ホテルなどは、それぞれの用途や規模、収容人員に応じて消防用設備等または特殊消防用設備等の設置が法律で義務付けられています。これらの工事や整備などを行うには、消防設備士の資格が必要です。
消防設備等は7つの種類に分類されており、乙種資格取得のためにはそれぞれに対応する資格を取得しなければなりません。特別な受験資格は必要ではなく、比較的取得しやすいのが特徴です。
一方、甲種資格取得には、「乙種に合格後2年以上の実務経験がある」「電気工事士に合格している」「消火設備の工事補助者として5年以上の実務経験がある」など、資格や実務経験が必要となります。
消防設備の適正な維持管理をするための知識を有していることを証明する国家資格であり、消防設備士の資格取得後に受講資格が与えられるものです。第一種、第二種、特殊の別があり、それぞれ点検できる消防用設備等及び特殊消防用設備等の種類に違いがあります。
消防設備士と同様です。
消防設備士の資格を取得していることが前提となります。全国各地で実施される消防設備点検資格者講習を受講し、修了考査合格者に免状を交付。消防用設備等は、技術的にも法制的にも変化、改正されるため、最新の知識を得るために5年ごとに再講習を受講することが義務付けられています。
自家発電設備の点検整備においては「総合点検における運転性能の確認(負荷運転または内部観察等)については、自家発電設備の点検及び整備において、必要な知識及び技能を有する者が実施することが適当であること。」(「消防予373号の第24 非常電源(自家発電設備) 1 一般的留意事項」)と記載されています。
そのため、非常用発電機の負荷試験は、消防設備士または消防設備点検資格者に加えて自家発電設備の点検整備に必要な知識及び技能を有する者が行う必要があります。
非常用発電機の負荷試験は法令で義務付けられているものであり、専門的な知識や技術、資格を有しているスタッフが実施しなければなりません。
依頼する場合は、スタッフの資格取得状況を確認したうえで、安心して任せられる業者を選ぶようにしましょう。
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