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点検方法

非常用発電機の点検方法の内容や項目、交換品などについて詳しく解説。毎年ではなく6年に1回の点検を実施するためのポイントや注意点などについてもまとめています。

非常用発電機の
3つの点検方法

非常用発電機の点検方法には、負荷試験による点検、内部観察等による点検、予防的保全措置による点検の3つがあり、それぞれに点検内容・項目が異なります。

負荷試験による点検

点検方法

発電機負荷運転による状態確認を行うもの。模擬負荷試験機や実負荷により、発電機容量の30%以上の負荷で必要な時間連続運転を行い確認します。

点検内容・項目

  • 負荷率による、電圧・電流・ 周波数 ・回転数等を測定し明記する
    5〜20%程度まで少しずつ負荷をかけた後、30〜100%の負荷で30分間運転し状態を確認。さらに10%・20%・30%と出力毎に電圧・電流・周波数・回転数を測定する。
  • 発電設備などの不具合や、故障している個所を発見する
    負荷試験によって「電圧が下がらないか」「オーバーヒートしないか」「オイル漏れがないか」「異臭がしないか」「異常な振動がないか」など、停電時に非常用発電機として正常に稼働できるかを確認する。
  • 黒煙が継続噴射するような場合には、高負荷をかけて堆積したカーボンの燃焼噴出を促す
    非常用電気内の搭載燃料が経年劣化を起こすことで燃焼効率が悪くなって黒煙・白煙を出したり、無負荷試験だけを行なっているとディーゼルエンジン内にカーボンが堆積されてしまうため、高負荷での連続運転を行ない、堆積したカーボンを燃焼排出させる。

非常用発電機の負荷試験をもっと詳しく

作業時間

1時間半~2時間

内部観察等による点検

点検方法

非常用発電機を分解し点検が必要なパーツごとに観察、動作確認を行います。

点検内容・項目

  • シリンダ摺動面のファイバースコープによる内部観察
    シリンダヘッドを取り外して内部を確認。もしくは燃料噴射弁を取り外して取付穴から内視鏡を挿入し、内部に損傷や摩耗がないかを確認する。
  • 過給器コンプレッサ翼、タービン翼の内部観察
    サイレンサー及び過給機ダクトを取り外して、塵埃(じんあい)や燃料残渣物などが付着していないか、損傷・欠損がないかを確認。さらに排気管および排気管内部に未燃燃料や燃焼残渣物などが付着していないかを確認する。
  • 冷却水の成分分析
    ドレインコックなどから冷却水を適量抜き取り、PH・全硬度・電気伝導率・蒸発残留物などが製造者の指定値範囲内であるかを確認する。
  • 潤滑油の成分分析
    オイルパンなどから潤滑油を適量抜き取り、動粘度・燃料希釈分・塩基価・金属成分・水分などが製造者の指定値範囲内であるかを確認する。
  • 排気管出口の可とう管継手をとり外し、内部確認
    過給器がない場合は排気管出口の可とう管継手を取り外して内部を確認する。
  • 燃料噴射弁等の動作確認
    燃料噴射弁を取り外し、燃料噴射弁の試験器で「開弁圧力が製造者の指定値範囲か」「噴射口に詰まりがないか」「燃料の噴霧状態が均一か」「先端から燃料の液だれがないか」を確認する。

作業時間

約56時間

予防的保全措置による点検

点検方法

非常用発電機の不具合を予防するために、必要な個所の点検確認及び部品交換などを行います。

点検内容・項目

  • 原動機・交流発電機
    手動運転によって正常に起動するかを確認する。
  • 制御装置・始動装置
    手動運転によって始動を確認。さらに故障試験による制御装置回路を確認する。
  • 余熱栓・プラグキャップ
    余熱栓の発熱部に断線・変形・絶縁不良などがないかを確認。またプラグキャップに電極の異常な消耗がないか、燃焼残さ物の付着がないか、プラグキャップ値が製造者の指定値範囲であるかを確認する。
  • 冷却水ヒーター
    冷却水ヒーターの外周もしくは冷却ヒーター付近の配管などに触れ、その他の部位より温度が高いかを確認。さらにテスターを用いて断線などがないかを確認する。
  • 潤滑油プライミングポンプ
    正常に作動してオイルが圧送されるかを確認する。

交換品

  • 潤滑油・冷却水(メーカー推奨交換1年)
  • 燃料フィルター・潤滑油フィルター(メーカー推奨交換1年)
  • 余熱栓・プラグキャップ
  • ファンベルト駆動用Vベルト・冷却水用等のゴムホース(メーカー推奨交換5年)

※交換履歴の明記が必須

作業時間

6~7時間

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予防的保全策を
講じていれば
6年に1回の点検でOK

従前は、負荷試験による点検または内部観察等による点検を1年に1回実施する必要がありました。

しかし、平成30年6月の消防法施行規則等の改正により、予防的保全策を講じていれば、負荷試験による点検または内部観察等による点検は、6年に1回の実施で法令義務違反とはなりません。

参照元:(PDF)総務庁消防庁「消防用設備等の点検報告制度について」https://www.fdma.go.jp/mission/prevention/suisin/items/h30_0626-2.pdf

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さまざまな状況に対応
してくれる業者を選ぼう

非常用発電機は、通常時や点検の際には低負荷であってもエンジン内部にカーボンが蓄積されています。そのため、有事の際に高負荷となることで炭素化したカーボンがピストンを破断させてしまって正常に稼働しないだけでなく事故につながることも。

したがって、実負荷試験または模擬負荷試験で点検する際には、カーボンを燃焼排出させるか、内部観察等による点検の際にカーボンを清掃して排出するかの作業が必要です。非常用発電機の点検を依頼する際には、さまざまな状況に迅速かつ適切に対応してくれる業者を選ぶようにしましょう。

非常用発電機の負荷試験で
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