非常用発電機におけるオーバーホールの受容性や手順、チェックポイントなどについて解説。オーバーホールは定期点検と比較すると費用は高くなりますが、結果的にメンテナンスコストを抑えることにつながります。
非常用発電機のオーバーホールとは、エンジンを分解、洗浄して外見からは分かりにくい損傷や異常を確認、メンテナンスしてエンジン性能を新品と変わらない状態に修復すること。
予防的保全措置や内部観察などによる点検と比較すると手間も費用もかかりますが、人命に直結するような機器においては欠かせない重要な検査となるため、非常用発電機の状況に応じて実施することが大切です。
定期的な点検をきちんとしていれば、非常用発電機の性能を維持することは可能です。ただし、非常用発電機は、通常の状態ではなく万が一の際に稼働するものであるため、設置後長年稼働できていないこともあります。
設置時から20年以上経過している場合や中古の発電機を設置した場合などは、コスト面や修理・交換のための部品が手に入るかを確認したうえで、オーバーホールするのか、新規設置するのか判断するといいでしょう。
発電体を分解し、部品の汚れを高圧洗浄機により細かく除去し、不具合や部品交換の判定をします。
見た目ではわからない摩耗やサビなどによる影響がないかを確認するために、内径や外径の測定も行います。
機器に大きな傷がないかどうかを確認するために、分解した部品に専用塗料を付けます。
カラーチェックにより見た目だけでは判断できない傷や損傷を確認することができ、必要に応じて部品を交換することが可能です。
シリンダーライナーを取り出し、偏った摩耗や変形によって生じた傷の除去、修正を目的とした研磨(ホーニング)を行います。
ホーニングにより、ライナー内面の保油性を改善し潤滑油の消費量を適正に維持するとともにピストンリングとの気密性を改善することが可能です。
天候や外部環境により、塗装のはがれやサビが生じる場合があります。
サビやはがれにより外装に穴が開き発電機の寿命を大きく左右することもあるため、補修塗装は修理費用を抑えるためにも必要です。
ディーゼル非常用発電機は、長時間運転・稼働しないことにより、潤滑油の劣化や潤滑油切れによるシリンダー内の摩耗異常が発生します。またカーボンの堆積により廃棄系統の障害や焼き付けが生じることも。
オーバーホールではこれらの異常を発見して修理、交換などを行うことができ、結果的にメンテナンスコストを抑えることができます。非常用発電機の点検を依頼する際には、オーバーホールにも対応している業者を選ぶのがおすすめです。
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